「瞳の奥にあるもの」

海の高鳴りを感じて、君は静かさを求めている。

 

そこには泣きわめく子供も人の足音も聞こえない。

 

まるでパレードを嫌がるかのように、ヨットはただ揺れていた。

 

窓の外に何があるのか知りたい気持ちが僕はある。

 

君の温もりを知りたいし、胸の鼓動も感じたい。

 

それなのに、君の心の扉には固く結ばれた鍵が掛かっている。

 

夜の街が君の色に染まる。

 

君が世界を照らすから。

 

みんなは君を太陽のようだと言う。

 

そんなはずがないのに。

 

魔法には準備が必要なんだ。

 

女の子がメイクするのと同じように。

 

夜更かしするし、朝は寝坊する。

 

それにホラー映画は嫌いだし、寂しい時は涙する。


それでも、太陽のように朝を迎える君に僕はまた恋をしてしまうのだろう。